安全率について

今回は、玉掛け作業をする際に、よく耳にする安全率について説明します。

そもそも安全率とは何でしょう?

突然ですが、質問です。

質問

ワイヤロープ1本の破断荷重が3tの場合、最大3tまで吊っても良いのでしょうか?

答えは×です。

×の理由の1つとして、破断荷重とは、ワイヤロープが正常な形状を保持できなくなり、変形や破断してしまう荷重の事を言います。

実際の破断荷重

では、実際どれくらいの破断荷重のワイヤロープなら安全に作業できるでしょうか。

玉掛け作業時には、いつも一定の荷重がかかっている訳ではなく、地切りの際には3t以上の強い衝撃がかかり、吊って移動させる際には振動による影響があり、使用頻度による材料疲労の影響も考えられます。

このような不確定要素を考慮しても、安全に作業が出来る倍率が安全率です。安全率は安全係数とも呼ばれ、玉掛用具の破断荷重と使用荷重との比となります。

また、玉掛け作業における安全率の値は「クレーン等安全規則」で定められています。

【安全率】

  • 玉掛けワイヤ:6倍以上
  • シャックル・吊りチェーン・フック等:5倍以上
  • 繊維スリング:6倍以上

上記より、{質問1}の安全率を考慮した使用荷重は、0.5tとなります。

 吊り荷重量3t÷安全率6=0.5t

ご安全に!

玉掛けワイヤロープ

金物各種(シャックル・フック等)

繊維スリング